カウンセリングの研究会で聞かれました。
「関わる子どもさんの中で対人関係の難しさで不登校になる子と、学習面の難しさで不登校になる子と、どちらが多いですか?」
私の答えはこれです。
「きっかけとしては半々な印象。ただ、復帰に関しては勉強で自信を持つと戻れたり進学後続けていける子が多いです。」
きっかけは様々で、正直原因は私にはわからないし、当人もあんまりはっきり言う子はいないなあ、と思います。
「あの頃、なんで行けんかったんじゃろ」ってほとんどの子はいいます。
ですが、勉強をぼちぼち始めて、それがその子のペースで続けられるようになると学校に戻ったり、進学後の適応度が良いです。
子どもさんの多くが発達検査を受けたりしてますが、検査数値の高低に関わらず勉強にコンスタントに取り組めるようになると、すごく変わってきます。
例えば、以下。
子どもにとってやはり勉強というのは自分自身をどう捉えるか、というアイデンティティの大きな部分を占めているんだと感じます。
ただ、闇雲に勉強にさそえばいいというものでもありません。
勉強に向かうまでには自分自身が整う必要があります。
まず、自己存在が取引せずに認められること。
〇〇したから、楽しんでいい。
〇〇できてるから、生きてていい。
ということに晒されすぎていた子は、自分自身がそのままで存在してていいんだ、と気づくのに時間がかかります。
制限の仕方に工夫がいるところです。
それから、家が安心安全な場面であること。
親が他人を自分より優先すると、ここが難しいなと感じます。
例えば、先生の訪問に対して
「せっかく来てくれたんだから、顔ぐらい出しなさい」
などと先生の前で言う。
この時子どもは、ああ、うちの親は自分がしんどいことよりも先生の方が(先生にどう思われるかが)大事なんだな」
と感じます。
親が自分を守ってくれないことに密かに傷つくのですが、本人は自覚ないことがほとんどです。
不登校だろうが、発達障害だろうがなんだろうがいつも通り、観察が非常に大切です。
褒めるよりも前に、なじらない。
そうなんだね。そう思ったんだね。と肯定する。
自分の考えを言えた時に「言ってくれたからわかったよ。教えてくれてありがとう」と伝える。
まずは、そこからです。
元気になってくると、勉強に向かえます。