今日は本のご紹介
-内容-
怒り・不安・恐怖に支配される子どもたち
きれる、
かんしゃく、
暴力、
いじめ、
不登校、
リストカット…
子どもの心の問題はなぜ生じるかを解き、支援の青写真を描く。-Amazonより引用-
中学校で働いていたとき、
「あの子たちはまだ、中学生。
大人と同じものを求めるんじゃなくて
大人と同じような対応ができるように、しっかりと失敗させよう」
と自分自身を戒めるために、自分に言い聞かせていました。
そうじゃないと私たち大人は、つい子どもに対して
「泣いてもすぐに泣き止んでみんなの中に入ってほしい」とか
「嫌なことがあってもぐじぐじ引きずらずに、機嫌を取り直して気持ちを切り替えてほしい」とか
大人のように自分の気持ちをコントロールして、みんなの中に入ることを望んでしまいます。
大人でさえ難しいのにね。
子どもがイヤなことを引きずらずに、
さっと気持ちを切り替えてくれたら、
親はどんなにかラクですよね~。
でも、そんな子どもこそ注意。
この本の著者の大河原美以先生には、以前講座でお会いしたんですが、とってもステキな先生です。
もし、大学院に行き直すならこの先生に師事したいな~、そんな風に感じました。
講座でもおっしゃっていましたがこんな場面。
子ども連れのお母さん3人組が歩いていました。
お母さんの前を子どもたちがはしゃぎながら歩いています。
1人の男の子が転んでしまいました
その瞬間、お母さんがすかさず「痛くない」と言いました。
幼い子どもは顔をゆがめながらも起き上がりました。
すると、そのお母さんはまたもやすかさず「えらい」と言ったのです。
子どもは泣くこともなく、また他の子どもたちとはしゃぎながら去って行きました。
どうですか?
このお母さんの子育て。
上手くいっていると思いますか?
子どもは泣かないし、気持ちを切り替えてすぐ次の行動にうつせています。
が、こんな子育ては「子どもたちの成長に大きな影響を及ぼす」と大河原先生は警鐘を鳴らされているんです。
どういうことかというと、
転んだ子どもは「痛い」という感覚を身体に感じました。
そして、もやもやとした悲しいような辛いようなしんどいような、そんな気持ちが子どもの中にわきあがっています。
しかし、それをお母さんに「痛くない」と言われることで無かったことにしてしまうんですね。
その時、その子の脳内で何が起きているのかというと、
乖離(かいり)
つまり
・転んで痛いという身体の感じ
・もやもやとしたいや~な気持ちと
「痛くない」というお母さんからの情報がつながらないので
・転んで痛いという身体の感じ
・もやもやとしたいや~な気持ちが意識下に追いやられてしまう
のです。
そして、
「えらい」と言われることで子どもは
・自分の感じている痛いとかイヤだという気持ちはあっちゃいけないんだ。
・それがあるとお母さんにほめてもらえないんだと感じて
どんどん身体の痛みや心の痛みを感じない
そんな子どもになってしまうというのです。
そして、いつしか大きくなり、
親のいないところでだけそれを爆発させてしまって、
いじめや暴力事件を起こし、人には出せない子は引きこもったりする。
そのように大河原先生はおっしゃっています。
子どもはたくさん失敗して たくさんいろんな経験をするべきであって、
大人が困らないように、聞き分けのイイ子になるべきではないんですね。
じゃあ、どうするかというと、
気持ちに共感して
そんな風に気持ちに名前をつけてあげます。
しっかりと
身体の感じ、もやもやとしたいや~な気持ちに共感してもらった子どもは、
自分の感じたものとお母さんからの情報が一致しているので、
それを自然な形で処理して次にいくことができるんです。
私は自分の息子の0~4歳位までの子育てを振り返って、
基本的な生活習慣とかは別として
子どもは聞き分けが悪いし、
ぐじぐじ言うし、
たいして言うこときかないものだと思って、
もっとおおらかに育てればよかったな~と思っています。
ましてや
0歳や1歳、2歳の子に
「どうしておもちゃ貸してあげないの?」とか
「なんでいつまでも泣き止まないの?」というのはちょっと無理な話…(お母さんにとっては本当に大変ですが)。
外でイイ子。
お家ではイライラをぶちまける
というのは
実は心が健康だからできるんですね~。
でも、
子どもがイライラしているからといってごきげんを取るのは違います。
お母さんの仕事は気持ちに名前をつけてあげること。
その子が機嫌を直すかどうかは、その子がなんとかするところです。
機嫌取りはしません。
それはお母さんの仕事ではないんですよ。