「べつに、たいぎかっただけだし」
「できるようになりたいわけじゃないし」
「最初できんかったけぇ、あと全部たいぎくなって寝た」
こんな風に言う子いますね
まわりの大人としては
「なんでできるのにやらんのん」
「すぐにあきらめんで、できそうなところ普通さがすじゃろ」
という気持ちになるかと思います。
そして、そういう子は
やる気がない
意欲に欠ける
向上心がない
やればできるのになまけている
という評価をされがちです。
たしかにその通りなんです。
やる気も意欲も向上心もなくなまけている。
だけど、そのことを言っても意味ありません
なぜなら、本人はそんなこと100も承知だからです。
それでもできない、やれない、やる気がわかないのは「やる」という実行に移せるほど心のコップが満たされていないのかもしれません
心のコップ
心理学のことばでは自尊心といいます。
乳幼児期にはお母さんとくっつくことで満たされていた心のコップが
大きくなると
といった周囲からの良い反応(心理学のことばでポジティブなストロークといいます。)で満たされていきます。
それがうまくいくとだんだん周りからのささえがなくても、自分で自分の心のコップを満たせるようになります
(だいたい80%以上入っていると、落ち着いて自分らしく生きられる、と言われています。)
でも、この心のコップが30%以下になってしまうと…
やる気がなくなり
言われたことだけするようになり
人の嫌がることをしてでもいいから誰かの反応が欲しくなり
とにかく自分の存在を人に見せるために反社会的な行動をしたりするようになります。
行き過ぎてしまうと、無差別犯罪とかね…。
だから、「やる気がない」のさらに奥に目を向けて見てください。
そして、だいじなポイントは「自分のことを好きでいられるかどうか」です。
1問目でわからなくて、残り全部もあきらめるのは、見方によっては
「切り替えがはやい」
「悪あがきをしない」
「現状を受け留める力がある」
とも取れます。
そんな風に思えて
「そんな自分がかっこいい」
「大好き」
って思えるなら、たとえテストが0点でもそれでいいんです。
本人がそれで幸せなんだから。
でも、そうじゃなかったら
自分で罪悪感や、劣等感や、誰かに責められるという妄想や、悲観的な思いにとらわれているなら
それならやるしか選択肢はないんです。
だから、やる気がない子どもさんには
1心のコップは満たされているか
という観点で見て
2やらない自分とやる自分、どっちを好きって思える?好きって思える自分の方をがんばろう、手伝うよ
ということばがけをして自分で決めさせてみてください。
周りの大人は、自分のことが好きになれる行動を増やせるように、
それに合ったことばがけと態度をやっていきましょう。
今日も読んでいただきありがとうございます