子どもさんが発達障がいと診断された親御さんなら
どなたでもとても不安だと思います。
「この子の将来はどうなるんだろう」
「こんな風に思っていいんだろうか」
そんな風に思ったりすることもあると思います。
うちに来られる親御さんも、みんなそうやって悩みながら訪ねてきてくださいます。
私が大切にしているのは、その子のできることを伸ばして、できないこと・苦手なことをカバーできるように力をつける・道具を見つけること。
その子が自分なりに工夫して、自分の特性にあった方法を見つけること。
はっきり言って、周りに合わせることでしんどいのは、小中学生がピークなんじゃないかと思うんです。
だって、大学だったら
講義を録音しても、写真撮っても、動画撮っても、誰にも咎められたりしません。
座る席も自由ですし、提出物だってメールでもOKです。
でも、小学校・中学校だったら、時間割を書くのが大変でも写真を取ることもままならないし、提出も手書きじゃないとだめ。
メールなんてもってのほかです。
スケジュール管理もスマフォでできたり、アラーム使えたら忘れ物だって減ると思います。
なのに、小中学生は使えない。
(いや、本当は使えるんです。でも、周りから浮いてしまうとか、他の子に説明が付かないとか、もう本当にごちゃごちゃうるさいから、本人も親御さんも引いちゃって、「じゃあ、今できる範囲でやろう」とかってなるんです。
「先生がちゃんとチェックしますから」って、スマフォとかデジカメでもいい、それがあれば本人が自分できることを、わざわざ先生の仕事を増やしてまで阻止する意味がわからん。もっと、子どもに力をつけようよ!教育って自分で出来ることを増やしたり、自分の能力を高める方法を教えることでしょ)
ふぅ
ちょっと心の声がはみ出てしまいました。
でね、
そういうことをやることが、発達障がいだろうが、定型発達だろうが関係なく、大切かつ必要なことなんです。
周りの子と比べてどうこうなんて関係ないんですよ。
そこがだいじなんです。
昨日、今年の春に県外の大学進学のためにうちを卒業していった生徒が、帰省のおみやげを持ってきてくれました。
その子とは、小学5年生から大学受験の高校3年生まで関わらせてもらいました。
初めの1年くらいはほとんどしゃべらず、1時間沈黙とかもありました。
学校でもいじめや先生の無理解などいろいろありまして。
とにかく、小中高と本人が自分自身を理解し、自分にあった方法を探っていくこと。
コミュニケーション能力を高めることに集中して関わりました。
中学受験もありましたので、勉強もやりましたし、大学受験に関しては、自己コントロールやスケジューリングを集中してやりました。
そして、この4月ご家族の力強い協力のもと大学合格となりました。
社会に出れば、異年齢と関わることのほうが多いんです。
「今の年齢でできているはず」という平均値に振り回されないでください。
周りが変わればその子のできる・できないが変わってしまう、そんなものに振り回されないでください。
その子をよく見て、その子の今持っている力を引き出す方法を考え、調べてください。
今出ているものを抑えようとしないでください。
じっとできないのをじっとさせようとするのは無意味です。
どんなときにじっとしているのか観察してください。
また、じっとしていなくてもうまくいく方法を考えましょう。
人の話を聞き分けられないのは、耳がとても良く聞こえるのかもしれません。
感覚過敏について知ってみましょう。
普通にさせようとしないでください。
普通じゃないところがその子の良さです。
普通じゃなくても受け入れる土壌を、まずおうちから作ってみてください。
「あなたのお返事面白いね。お母さんだったら○○って答えるよ。」
と、人によって感じ方が違うことを教えてあげてください。
世の中のルールの中で自傷他害のあること、犯罪に関わる可能性のあることは教えてあげてください。
表現が難しいですが、家族の文化を守る部分と柔軟に変える部分とをもってください。
20代半ばまでは、理論的に判断する脳が完成していません。
ゆっくりと完成する脳の部分なので、何度もわかりやすく教えてあげてください。
子どもさんがまだ幼児で幼いならなおさらです。
まずは、愛情。厳しさも愛情です。(厳しさと冷たさは別物です)
無関心がいけません。
あと、ものや食べ物で釣るのもいけません。
できたらすかさず、「今のができたってことだよ」と伝えます。
できなかったことは見本を見せてやらせます。
注意はもう一度やらせます。
できたらOKです。できなくても、「次はもうちょっとうまくなってるよ」でOKです。
それから、小学生中学年くらいになったら少しずつ、あなたのこんなところがユニークだよ、あなたはこんなところが苦手だよ、人に助けてって言おう、と得意なところと苦手なところを教えてあげてください。
悲観している場合ではありません。
たくさんやることはありますよ。
今日も読んでいただきありがとうございます